猫の去勢・避妊手術は必要?適切な時期・費用・メリット・デメリットを詳しく解説

「猫の去勢手術って必要なの?」、「何か月くらいでするのがいい?」、「去勢しないとどうなる?」、「費用はどれくらいかかる?」…猫を飼っていると、一度は気になるのが去勢・避妊手術ではないでしょうか?

特に初めて猫を飼う場合は、手術そのものだけでなく、適切な時期や費用、術後の様子など、分からないことも多いと思います。

我が家のマンチカン・いくら(♂)も、実際に去勢手術を受けました。

この記事では、猫の去勢・避妊手術について、できるだけ詳しくまとめてみました。


そもそも猫の去勢・避妊手術とは?

まずは基本から。

オス猫に行うのが去勢手術、メス猫に行うのが避妊手術です。

オス猫の去勢手術

オス猫の場合、一般的には精巣を摘出する手術を行います。

精巣から分泌される性ホルモンがなくなることで、繁殖能力をなくすだけでなく、性ホルモンに関連する行動にも変化が見られることがあります。

メス猫の避妊手術

メス猫の場合は避妊手術を行います。

一般的には、

  • 卵巣のみを摘出する方法
  • 卵巣と子宮を摘出する方法

などがあります。

具体的な手術方法は動物病院や獣医師によって異なるため、事前に確認しておきましょう。


猫の去勢・避妊手術は必要?

結論からいうと、繁殖を予定していない猫では、去勢・避妊手術を検討することが一般的です

ただし、「すべての猫が絶対に手術をしなければいけない」という意味ではありません。

手術にはメリットがある一方で、全身麻酔や手術そのもののリスク、費用、術後のケアなどもあります。

そのため、「みんながやっているから」ではなく、自分の猫の健康状態や生活環境を考えたうえで、獣医師と相談して決めることが大切です。


去勢・避妊手術をしないとどうなる?

去勢・避妊手術をするか迷っているとき、「手術をするメリット」だけでなく、手術をしない場合にどんなことが起こる可能性があるのかも知っておきたいですよね。

オス猫とメス猫では、発情によって見られる行動や考えられるリスクが異なります

去勢しないオス猫にはどんなことが起こる?

オス猫は成長すると性成熟を迎え、性ホルモンの影響によって行動に変化が見られることがあります。

特に飼い主さんが悩みやすいのが、スプレー(尿マーキング)です。

通常の排尿とは違い、立った状態で少量の尿を壁や家具などに吹きかけるような行動です。

去勢していないオス猫に見られることがある行動

  • スプレー(尿マーキング)
  • 発情中のメスを探して落ち着かなくなる
  • 大きな声で鳴く
  • 外に出たがり、脱走しようとする
  • 他の猫に対して攻撃的になる
  • 他の猫とのケンカが増える

などが挙げられます。

ただし、去勢していないオス猫が必ずこれらの行動をするわけではなく、猫の性格や生活環境によって個体差があります

また、一度スプレーなどの行動が習慣化すると、去勢手術をした後も続く場合があるようです。

そのため、繁殖を予定していない場合には、こうした性成熟後の行動も含めて、手術する時期を獣医師と相談しておくと安心です。

いくらの場合、弟のほたてをお迎えしたということもあり、去勢手術を決意しました。

いくらの弟のほたて(左)といくら(右)

去勢しないと病気のリスクは?

去勢をしない場合、精巣を残したままになるため、精巣に関係する病気の可能性があります。

また、他の猫とのケンカや外への脱走など、性ホルモンに関連した行動がきっかけとなって、ケガや事故につながる可能性もあります。

ただし、「去勢しないと必ず病気になる」「必ずケンカする」という意味ではありません。

あくまで、去勢することで避けられる可能性のあるリスクの一つとして考えておきましょう。

避妊しないメス猫にはどんなことが起こる?

メス猫は成長すると発情を迎えるようになります。

発情期には、普段とは違った行動が見られることがあります。

避妊していないメス猫に見られることがある行動

  • 大きな声で鳴く
  • 落ち着かなくなる
  • 飼い主に甘えることが増える
  • 床に体をこすりつける
  • お尻を高く上げる姿勢をとる
  • 外に出たがる
  • トイレ以外で排尿することがある

などです。

発情は一度だけではなく、妊娠しなければ繰り返すことがあります。

避妊しないと妊娠する可能性がある

当然ながら、避妊手術をしていないメス猫は妊娠する可能性があります。

完全室内飼いであっても、脱走などをきっかけに妊娠してしまう可能性があるため、繁殖を予定していない場合は注意が必要です。

また、オス猫と一緒に暮らしている場合は、特に注意が必要です。

生殖器に関係する病気のリスクもある

避妊手術を受けていないメス猫では、子宮や卵巣などの生殖器に関係する病気が起こる可能性があります。

避妊手術には妊娠を防ぐだけでなく、生殖器に関係する病気の予防につながるというメリットもあります。


オス猫とメス猫では手術の内容が違う

オス猫の去勢手術

オス猫の場合は、一般的に精巣を摘出します。

メス猫の避妊手術と比較すると手術自体は比較的シンプルで、傷口も小さい傾向があります。

そのため、一般的にはメス猫より身体への負担が小さく、日帰りで行われるケースが多いです。

ただし、全身麻酔を使用することには変わらないため、手術前の健康状態の確認は重要です。

メス猫の避妊手術

メス猫の場合は、卵巣のみ、または卵巣と子宮を摘出する方法があります。

オス猫の去勢手術と比べると腹部を切開する必要があるため、一般的には手術の規模が大きく、術後の回復にもより注意が必要です。

入院が必要になるかどうかも動物病院によって異なります。

手術前に、

  • どのような手術をするのか
  • 入院は必要か
  • 術後はどのくらい安静にするのか
  • 再診は必要か

などを確認しておくと安心です。


去勢・避妊手術をする動物病院の選び方

手術を受けることを決めたら、次に悩むのが「どこの動物病院で手術をするか」です。

全身麻酔を使用する手術なので、費用だけではなく猫の安全を第一に考えて選ぶことが大切です。

病院を選ぶ際は、

  • 自宅からの距離や通いやすさ
  • 口コミやレビュー
  • これまでの診療歴
  • 術前検査の内容
  • 手術方法
  • 日帰りか入院か
  • 術後の対応
  • 手術費用
  • 獣医師の説明の分かりやすさ

などを総合的に確認するとよいでしょう。

「口コミがいいから」「費用が安いから」だけではなく、猫に何かあったときにも通いやすいか、安心して相談できるかという視点も大切です。

【いくらの場合】ペットショップ時代からお世話になっている病院へ

我が家のいくらは、ペットショップ時代からお世話になっていると聞いていた動物病院で去勢手術を受けました。

いくらをお迎えしてからも同じ病院で診てもらっていたため、今回の去勢手術もその病院にお願いすることにしました。

これまでの診察や健康状態を把握してもらっているという点でも、我が家にとっては安心できる選択でした。

もちろん、ペットショップから紹介された病院だから、必ずそこで手術をしなければならないわけではありません。

自宅からの距離、口コミ・レビュー、これまでの診療歴、費用、病院の対応などを比較して、猫の安全を第一に、総合的に判断することが大切だと思います。


去勢・避妊手術の費用相場

去勢・避妊手術の費用は、動物病院によってかなり違います。

また、「手術費用」と書かれていても、

  • 術前検査
  • 血液検査
  • 麻酔
  • 点滴
  • 入院費
  • 再診料

などが別料金になっている場合があります。

そのため、単純に手術料金だけを比較するのではなく、最終的にいくらかかるのかを確認することが重要です。

手術を予約するときは、「手術だけではなく、検査や麻酔、薬などを含めると全部でどれくらいかかりますか?」と確認しておくと安心です。

オス猫の去勢手術

一般的には、手術料だけで1万~2万円程度が一つの目安になります。

ただし、検査や麻酔などが別途必要になる場合があります。

メス猫の避妊手術

メス猫はオス猫より手術の規模が大きくなるため、一般的に費用も高くなる傾向があります。

1.5万~3万円程度が手術料の一つの目安ですが、こちらも検査や麻酔、入院などが別途必要になる場合があります。

あくまで相場なので、実際の費用は動物病院に確認してください。


【いくらの場合】去勢手術を受けるまで

いくらは2025年8月生まれ。

2026年6月5日に去勢手術を受けました。

手術時は生後9か月前後で、体重は4kg前後でした。

手術を受ける前に、2回目のワクチン接種と健康診断のために動物病院へ行きました。

その日に健康状態を確認してもらい、去勢手術について相談。

そのまま手術日を決めることになりました。

いくらの場合は、単純に「9か月になったから手術した」というわけではなく、健康診断を受けたうえで獣医師と相談して手術日を決めています。


猫の去勢・避妊手術当日の流れ

一般的な流れは次のようになります。

  1. 手術前の診察・健康チェック
    猫の体調を確認します。
    体調が悪い場合は、手術を延期することもあります。
  2. 術前検査
    動物病院によって内容は異なりますが、血液検査などを行う場合があります。
  3. 断食・断水
    麻酔を使用するため、手術前には食事や水について指示があります。
    自己判断せず、病院から指定された時間を守りましょう。
  4. 全身麻酔
    手術を行うため、全身麻酔を使用します。
  5. 手術
    オス猫は精巣を摘出し、メス猫は卵巣、または卵巣と子宮を摘出します。
  6. 麻酔から覚めるまで経過観察
    手術後は麻酔から覚めるまで状態を確認します。
    猫の状態に問題がなければ、その日のうちに帰宅できる場合もあります。

【いくらの場合】日帰りで去勢手術をしました

いくらの場合は日帰り手術でした。

前日の夜から絶食と指示があったため、前日は夜ご飯抜きに。

いつもの時間にご飯のおねだりをされて心が痛みました…😢

当日の朝に動物病院へ預け、手術を受けて、夕方にお迎えに行きました。

病院によっては入院になる場合もありますし、猫の状態によって対応が変わることもあります。

手術を予約するときに、「日帰りですか?」「何時頃にお迎えですか?」などを確認しておくと安心です。


【実体験】去勢手術後のいくらの様子

ここからは、実際にいくらが去勢手術を受けた後の様子です。

手術当日の夕方にお迎えに行き、その日のうちに家へ帰ってきました。

帰宅後のいくらは、普段と比べると少し眠そうな様子でした。

特に手術後数日は、いつもよりよく寝ていたような気がします。

手術をしたばかりということもあり、普段以上にいくらの様子を気にしながら過ごしました。

大きく体調を崩したというわけではありませんでしたが、やはり手術後なので、無理をさせないように様子を見ていました。


去勢手術後に確認したいこと

手術後は、普段より猫の様子をよく観察しておきましょう。

  1. 食欲があるか
    麻酔後は食欲が落ちることもあります。
    どの程度なら問題ないのかは猫の状態によって違うので、病院から受けた指示を優先しましょう。
  2. 水を飲んでいるか
    食事だけでなく、水を飲めているかも確認します。
  3. トイレができているか
    おしっこやうんちが普段通りできているか確認しましょう。
  4. 元気や歩き方に異常がないか
    術後は眠そうにしていることがありますが、極端に元気がない、歩き方がおかしいなど、気になる様子があれば動物病院へ相談しましょう。
  5. 傷口を舐めていないか
    猫が傷口を舐め続ける場合は、傷口が開いたり感染したりする可能性があります。
    エリザベスカラーなどが必要かどうかは、動物病院の指示に従いましょう。
  6. 去勢手術後は激しい運動に注意
    手術後すぐに元気になったように見えても、傷口が完全に回復するまでは注意が必要です。
    走り回ったり、高いところから何度もジャンプしたりすると、傷口に負担がかかる可能性があります。
    術後どの程度まで運動を制限するかは、手術方法や猫の状態によっても異なるため、獣医師からの指示を守りましょう。
  7. 手術後は太りやすくなる?
    去勢手術後や避妊手術後は、以前より体重が増えやすくなる場合があります。
    そのため、術後は体重を定期的に測り、確認していくことが大切です。
    「去勢したから必ずダイエットフード」というわけではないので、必要に応じて獣医師に相談するのがオススメです。

去勢後に性格は変わる?

「去勢したら大人しくなる?」、「甘えん坊になる?」と気になる方もいると思います。

去勢によって性格そのものが別の猫のように変わるとは限りません。

一方で、性ホルモンの影響を受けていた行動が減ることで、以前より落ち着いたように感じることはあるようです。


【いくらの場合】去勢してどうなった?

去勢前に心配していたのが、スプレー(尿マーキング)問題です。

友達の猫が去勢する時期が遅く、マーキングがひどくなってしまい、おむつが手放せないほど大変だと聞いていたことがあり、「いくらも将来的にスプレーをするようになったらどうしよう」と少し心配していました。

もちろん、これはあくまで友達の猫の一例で、「去勢が遅いと必ずスプレーをする」ということではありません。

いくらの場合は、繁殖を予定していないことに加えて、そうした性成熟後の行動も考え、去勢手術を受けることにしました。

今のところ、いくらはトイレの失敗もほとんどなく、「いくらの場合は、去勢手術をしてよかったのかな」と感じています。

飼い主の足元で甘えるいくら

性格の面ではいくらの場合はあまり変化は感じませんでした。


去勢・避妊手術の助成金も確認しよう

去勢・避妊手術を考えているなら、住んでいる市町村の助成制度も一度チェックしておくのがおすすめです。

自治体によっては、猫の去勢・避妊手術に対して補助金や助成金を出している場合があります。

ただし、対象となる猫や条件は自治体によって異なります。

特に注意したいのが、手術前の申請が必要な制度があることです。

「助成金があると知らずに手術してしまった」ということにならないよう、手術を決める前に自治体の公式サイトを確認しておきましょう。

検索するときは、「〇〇市 猫 去勢 助成金」「〇〇市 猫 避妊 補助金」などで調べると見つけやすいです。


よくある質問

すべての猫に絶対必要というわけではありません。

繁殖予定や生活環境、健康状態などを考慮し、獣医師と相談して決めましょう。

いいえ。

スプレーが減る可能性はありますが、すべての猫でなくなるわけではありません。

すでに習慣化している場合は、去勢後も続くことがあります。

日帰りで行う動物病院もあります。

いくらは朝に預けて夕方にお迎えという日帰りでした。

ただし、入院するかどうかは病院や猫の状態によって異なります。

猫は比較的早い時期から性成熟する可能性があります。

目安としては生後半年ごろからと言われています。

一方で、適切な手術時期は猫種、体重、成長具合、健康状態などによって変わる場合があります。

月齢だけで判断せず、獣医師に相談しましょう。

体重が増えやすくなる場合があります。

術後は体重と食事量を確認しましょう。

手術料だけなら1~2万円程度が一つの目安ですが、検査・麻酔・薬・入院などが加わる場合があります。

病院によって料金設定が違うため、事前に総額を確認しましょう。

また、手術内容的にオスの去勢手術よりメスの避妊手術のほうがやや高額になります。


まとめ|去勢・避妊手術は猫の健康と生活を考えて決めよう

猫の去勢・避妊手術には、様々なメリットとデメリットがあります。

メリット
  • 望まない繁殖を防ぐ
  • 発情に関連する行動を抑える可能性がある
  • 生殖器に関係する病気の予防につながる
デメリット
  • 全身麻酔が必要
  • 手術による負担がある
  • 費用がかかる
  • 術後のケアが必要
  • 体重管理が重要になる場合がある

また、適切な手術時期は猫種、体格、成長具合、健康状態などによって変わる場合があります。

「○か月になったから絶対に手術」という考え方ではなく、猫の状態を確認したうえで、獣医師と相談して決めることが大切です。

猫によって性格も体質も生活環境も違います。

これから去勢・避妊手術を考えている方は、この記事の情報だけで判断せず、実際の猫の状態を獣医師に診てもらったうえで、家族でよく相談して決めてあげてください。

そして手術を受ける前には、お住まいの市町村で去勢・避妊手術の助成制度がないかも忘れずにチェックしておきましょう。

猫にとってできるだけ負担が少なく、安心して手術を受けられる方法を選んであげることが一番大切です。